2020年(令和2)6月1日に賃貸住宅管理適正化法が改正されました。
これにより、今後はサブリース契約による不動産投資を始める人の増加が見込まれます。
不動産投資家にとって賃貸住宅管理適正化法改正はどのような意味があるのでしょうか。
サブリース契約による不動産投資と賃貸住宅管理適正化法改正とは
購入した物件を第三者に貸して家賃収入を得る投資を「不動産投資」といいます。
賃貸契約は物件の所有者と物件に住む人が直接結ぶのが基本です。
これを、業者が物件全体を一括リース契約し第三者に貸すのが「サブリース」契約です。
物件の所有者は、サブリース契約することで家賃回収や入居者の募集、物件管理などを業者に委託することができます。
サブリース契約した業者(サブリース業者)は家賃の一部を手数料として受け取ります。
ところが、このサブリース契約が社会問題になりました。
長期にわたって一定の家賃収入を約束した契約が突然解除されたり家賃の減額を求められたりするなどのトラブルが多発したのです。
原因は、サブリース業者が物件の借り手として借地借家法で守られることにあります。
借地借家法では、借り手は1か月前の通告で契約を解除することができ、「借賃増減額請求権」を使って家賃の減額請求ができます。
しかしながら、貸し手側が契約を解除するには正当な事由が必要で、拒絶通知を半年以上前に出さなくてはなりません。
本来個人を守るための借地借家法が法人に利用され、個人の貸し手を苦しめる結果になってしまいました。
この事態を受けて賃貸住宅管理適正化法改正となったのです。
施行後は、賃貸住宅管理業者は国土交通省へ業者登録が必要になります。
また、賃貸住宅管理業をおこなうには一定以上の経験を持つ宅地建物取引士や賃貸不動産業務管理士などの業務管理者を置かなければなりません。
管理受託契約締結前の重要事項の説明も義務付けられました。
賃貸住宅管理適正化法改正によって個人の不動産所有者が守られるようになり、そして物件の住人は従前どおり借地借家法で守られ、適正な賃貸経営が期待できるようになったのです。
賃貸住宅管理適正化法改正後のサブリース契約による不動産投資のメリットとは
不動産の所有者がサブリース契約を結ぶメリットは、契約期間中家賃収入が保証されることにあります。
物件所有者がサブリース契約を結ぶのは賃貸住宅管理業者です。
空き室や家賃滞納の有無に関係なく、物件の所有者はサブリース業者から毎月リース料を受け取ることができるのです。
入居者の募集や物件の管理をおこなう必要もありません。
賃貸住宅管理適正化法改正後は、サブリース契約を結べば一定以上の業務管理者がいる賃貸住宅管理業者に安心して物件管理を任せることができます。
精神的・物理的負担なく不動産投資できるのがサブリース契約のメリットです。