不動産投資をするにあたって、個人と法人では税制面などで大きな違いがあり、個人として不動産投資を続けると、かなりの税金がかかることもあります。
ビジネスとして不動産投資をするなら、法人化を検討することも必要です。
そこで、法人化した場合のメリットとデメリットを解説しましょう。
税制面での優遇が大きい・法人化のメリット
損失の繰越控除ができる
不動産投資事業で損失(赤字)が出たとき、個人の場合、繰越できる期間は3年ですが、法人の場合は10年間繰越すことができます。
青色申告でその損失を繰り越し、次年度以降の所得から差し引くことで、法人税を10年にわたって抑えられるのは大きなメリットです。
青色申告で人件費を活用できる
個人事業主でも、青色事業専従者給与として、家族に給与を払うことができますが、他に仕事をしている場合など制約があります。
しかし、法人で物件を所有すれば、家賃収入として利益が発生するのは法人であり、家族がその法人の役員として仕事に携われば、役員報酬として支払うことができます。
経費として計上できる範囲が広い
個人の場合より経費として計上できる範囲が広がり、保険料、役員報酬、退職金などを計上できます。
たとえば保険料の場合、個人では生命保険料控除の上限金額しか所得から控除できません。
しかし法人の場合には上限がなく、要件に当てはまれば、保険料全額を控除することができます。
減価償却費が任意償却できる
個人の場合、毎年必ず減価償却費を計上しなければいけません。
しかし法人の場合は任意償却が許されており、利益に応じて減価償却費は自由に設定できるようになっています。
赤字の時は減価償却費を少なく、利益が大きい時は最大限計上するなど、状況に合わせて調整を行えます。
短期売買の場合は個人よりも所得税率が低い
個人の場合、保有期間5年以内に不動産を売却した売却益は「短期譲渡所得」となり、税率は所得税30%、住民税9%の合計39%、5年超で売却した売却益は「長期譲渡所得」となり、税率は所得税15%、住民税5%の合計20%で、他の所得とは別で計算します。
一方、法人は売却益が発生しても、個人のように別計算ではなく、すべての所得に対して税率がかかります。
ただし、保有期間5年以上経過した物件を売却する場合は、個人の税率は20%なので、法人よりも低くなります。
費用は増える傾向?法人化のデメリット
法人設立費用がかかる
資本金は株式会社でも1円から設立できますが、会社設立にかかる報酬「定款認証手数料」(株式会社の場合)、「登録免許税」や、その他の費用も含め株式会社で25万円程度、合同会社で15万円程度必要です。
紙の定款を使うなら「収入印紙代」も必要になります。
個人の物件を法人に移転する際に税金がかかる
個人所有の物件を法人の所有にするには、通常の売買と同じ手順が必要で、契約書を作成し、不動産取得税、登録免許税を再び支払わなければなりません。
法人住民税の支払いが発生する
法人に課される税金のうち「均等割」と「法人税割」で構成される法人住民税のうち、「均等割」は赤字の場合でも納付しなければなりません。
税理士費用がかかる
法人の場合は税務処理が煩雑になり、税務署のチェックも厳しくなるため、費用はかかりますが、申告等は税理士に依頼するのがよいでしょう。
まとめ
法人化するメリットとデメリットについて解説しました。
これから法人化するならいつがいいのか、そのタイミングをみることも大切です。
めやすとしては、個人の課税総所得金額が800万円程度になるなら、法人化を考えましょう。
個人の場合、所得に応じて所得税率が上がり、最高で55%まで上がりますが、中小の普通法人では利益が800万以上の場合、法人に対する法人税等は原則一律で約23%となっています。
詳細は税理士等の専門家に相談することをおすすめします。
私たち株式会社メイトでは、京都市上京区の不動産情報を豊富に取り扱っております。
京都市でお住まいをお探しの方は、お気軽にご相談ください。
住まいをお探しの方はこちらをクリック↓