一般的に、支出が収入よりも多い状態であるいわゆる「赤字」の状況が長く続くと経営難に陥り、いずれは倒産してしまいます。
しかし、不動産投資における赤字は一概に悪いとは限りません。
ただし、中には放置しておくと危険な赤字もあるため、しっかりと見分ける能力が求められます。
そこでここでは、あえて赤字を生み出すことで節税効果もある不動産投資における赤字について、良い赤字と悪い赤字の見分け方をご紹介します。
不動産投資における節税効果のある良い赤字とは
不動産投資における「良い赤字」とは、帳簿上のみの赤字です。
さまざまな経費を計上できる不動産投資では、帳簿上の収支と実際のキャッシュフローが一致しません。
そのため、帳簿上では赤字になっていても実際はそうでないケースも多く存在します。
わざわざ多くの経費を計上して帳簿上で赤字にする理由は、節税対策のためです。
税金は所得額に対して課税されるため、所得額が赤字であれば税金は課税されません。
また、不動産投資で損失が出た場合でも他の所得と合算して手続きを行える「損益通算」という方法を取ることで、本業の所得から損失分を差し引くことも可能です。
赤字をうまく活用することが不動産投資を成功させるポイントでもあるのです。
放置は危険!不動産投資における悪い赤字とは
賃貸物件の空室が多いうえに長い間空室の状態が続き、家賃収入が減少することによって出る損失は、不動産投資においても悪い赤字です。
利益の見込みのない損失は危険な赤字だと認識しましょう。
中には、空室が埋まらなくなった物件は売却すればいいと安易に考えている人もいますが、空室が多く利回り率の低い物件はなかなか買い手も付きません。
そのため、不動産投資においてはいかに条件の良い物件を購入するか、最初の物件選びがカギを握ります。
不動産投資における悪い赤字には、家賃収入よりもローンの返済額が多いケースも当てはまります。
物件の利回りを見誤って実際の収益に見合わない金額でローンを組んでしまったり、利息の高い融資を受けてしまったりとローンの返済よりも家賃収入の方が少ない場合は、ローンの見直しを行うなどの対策が必要です。