健康被害をもたらすことが深刻な社会問題にまでなったアスベスト。
今回は、不動産投資においてアスベストを使用した物件がどんな影響を与えるのかについて見ていきましょう。
アスベスト使用物件なのかどうか確認するにはどうしたらいいか、アスベストを除去するにはどうしたらいいか、などについて解説します。
アスベストを使用した物件が不動産投資に与える影響とは?
築年数が古い物件のなかにはアスベストを使用した物件も存在しますが、そうしたアスベスト使用物件での不動産投資をした場合、「入居者に健康被害が出たときに、オーナーが賠償責任を取らされる」という大きな影響が出ることがあります。
そうした影響を避けるためには、アスベストが使用されているかどうかを確認し、もし使用されていた場合は何らかの対策をとることが必要となります。
不動産投資の対象にしたい物件がアスベスト使用物件かどうか確認する方法は?
不動産投資対象にしたい物件にアスベストが使用されているかどうか、それを確認する方法としてまずおすすめしたいのが「物件の重要事項説明書で確認する」という方法です。
実は重要事項説明書には「アスベスト使用調査をしたかどうか」の記載をする義務があり、調査をした場合はその調査内容を不動産業者が書面で説明する必要があるのです。
ですからこれだけで、アスベストが使用されているかどうかがわかるケースも少なくありません。
ただし「アスベストの使用調査をしていない」「記録なし」という趣旨の内容が重要事項証明書に含まれている場合は、アスベストが使用されているかどうか調べるための設計図の確認や現地調査が必要となり、その費用は図面確認・現地調査ともにそれぞれ数万円程度です。
アスベストが検出された際にはさらに分析費用がかかります。
アスベストが使用された物件を不動産投資に使うための除去方法
アスベストが使用された物件を不動産投資に使うのであれば、アスベストを除去するなど、何らかの対策をとることが必要です。
アスベスト対策としては除去工法、封じ込め工法、囲い込み工法の3つがあげられますが、もっとも推奨されるのはアスベスト被害の懸念をなくせる除去工法です。
除去工法にかかる費用は1㎡あたり1.5~8.5万円程度で、除去面積や除去面の形状によって大きな幅があります。
大きな出費にはなりますが、地方公共団体によってアスベスト除去のための補助金や助成金を出しているところもありますので、まずはそこから調べてみましょう。