不動産投資の本質は不動産経営であるため、不動産投資をおこなう方にとってバランスシート(貸借対照表)は、決して無視できない重要な書類のひとつです。
そこで今回は、バランスシートとは何か、不動産投資におけるバランスシートの重要性や見方・作り方、見るときのポイントについて解説します。
不動産投資でバランスシートが重要な理由とは?
貸借対照表とも呼ばれるバランスシートとは、ある時点の資産、負債および純資産を一覧にした書類のことです。
表の左側には資産=何に投資したのか、右側には負債+純資産(資本)=どのようにお金を集めたのかを表示します。
そして、左側と右側の金額は、常に同じになるのです。
バランスシートを作成すると、自分の資産と負債のバランスや、本当の純資産を正確に把握できます。
投資効率の見直しにもつながるため、不動産投資において大変重要な役割を持つ書類です。
不動産投資におけるバランスシートの見方や作り方は?
たとえば、下記のような条件で不動産投資したとします。
●マンション…3,000万円
●借入金(ローン)…2,500万円
この投資のバランスシートを作るには、まず左側に何に投資したのか=マンション3,000万円を記載し、右側にどのようにお金を集めたのか=借入金2,500万円を記載します。
これだけでは左右でバランスが取れないため、自己資金の500万円を純資産として記載します。
これでこの投資のバランスシートの作成は完了です。
また、このバランスシートからは、下記の2点が読み取れます。
●資産3,000万円のマンションを所有していること
●マンションの持分は、銀行が2,500万円で自己資金が500万円であること
不動産投資におけるバランスシートの見方のポイントは?
健全な範囲で不動産投資できているかどうかを判断する際は、2つのポイントに着目してバランスシートを見ましょう。
●自己資本の割合
●流動資産(1年以内に現金化できる資産)と流動負債(1年以内に返済が必要な金額)の割合
不動産投資する際は、金融機関から融資を受けて投資をしていきますが、その際には、自己資本(純資産)の割合がとても重要になります。
投資物件取得時の自己資本は、購入時の自己資産です。
購入額に対し自己資金の割合が十分であれば、健全な投資であると言えるでしょう。
その後も順調に不動産投資できれば、自己資本の割合は維持、あるいは増えていきます。
また、金融機関からの借入金を滞りなく返せるかも重要です。
流動資産の割合が流動負債の割合を上回っているかも、大事なチェックポイントとして必ず確認しましょう。